この記事の目次
Claude Code CLIのcomputer useは、macOSのPro/Maxプランで、対話セッション(-pなし)かつclaude.ai認証のときに使えます。有効化は/mcpでcomputer-useを選んで Enable するだけです。初回利用時にmacOSのAccessibilityとScreen Recordingの許可を求められます。アプリはセッションごとに承認し、Escで即座に中断できます。
この記事は、次の4つの判断軸で進めます。
- 自分の環境で使えるか
- 他の手段で足りないか
- 承認するアプリがどれだけ重いか
- どう止め、止めた後に何が残るか
有効化の手順は、環境の確認と承認の判断の間に置いています。根拠は公式ページ「Let Claude use your computer from the CLI」(https://code.claude.com/docs/en/computer-use)です。公式の記載と筆者の整理は区別し、筆者の整理には「(筆者の整理)」と付けます。
自分の環境で、CLIのcomputer useは使えるのか?
使えるのは、macOSでProまたはMaxプランに加入し、claude.ai認証で対話セッションを開いている場合です。TeamとEnterpriseは対象外で、LinuxとWindowsのCLIでも使えません。
2026-10-12時点で確認した公式ページの記載に基づきます。ページ内に更新日の記載はなく、research preview(試験提供の段階)のため、内容は変わる可能性があります。
| 条件 | 公式の記載 |
|---|---|
| 提供段階 | research preview |
| OS | macOS(CLIはmacOSのみ。LinuxとWindowsは不可) |
| プラン | ProまたはMax(TeamとEnterpriseは不可) |
| 起動 | 対話セッション(-pの非対話モードは不可) |
| 認証 | claude.ai認証。Amazon Bedrock、Google Cloud’s Agent Platform、Microsoft Foundryなどのサードパーティ経由は不可 |
プランは、セッション内で/statusを実行すると確認できます。サードパーティ経由でしかClaudeを使っていない場合、公式は別途claude.aiのアカウントが必要としています。Windowsで使いたい場合は、公式の案内どおりDesktop版を使います。
公式本文に記載がなく、確認できなかった事項は次のとおりです。これらは条件に含めません。
- バージョン要件
- macOS 15以降といったOSの細かい条件
- 地域ごとの提供状況
- 料金額と利用上限
- ページの更新日
computer useは他の手段より先に使われるのか?画面操作になるのはどんなときか?
先には使われません。公式によると、computer useは最も広く最も遅い手段で、Claudeは最も精密なツールから順に試します。順序はMCP、Bash、Claude in Chrome、computer useです。
公式が画面操作の対象として挙げるのは、ネイティブアプリ、iOS Simulatorのようなシミュレーター、APIのないツールの3種類です。MCPサーバーがあるサービスにはMCPが、シェルコマンドで済む作業にはBashが、Chrome連携を設定済みのブラウザ作業にはChromeが使われます。MCPの仕組み自体はClaude CodeのMCP解説で扱っています。
依頼したい作業に合う手段が既にあるかを先に見ておくと、画面操作の承認が必要になる場面を絞れます(筆者の整理)。
CLIでcomputer useを有効にするには、何をどの順で行うのか?
対話セッションで/mcpを開き、computer-useを選んで Enable にします。そのあと初回利用時に出るmacOSの権限プロンプトで、AccessibilityとScreen Recordingの両方を許可します。
公式の手順は次の3ステップです。
- 対話セッションで
/mcpを実行し、サーバー一覧からcomputer-useを探します。初期状態では無効と表示されます。組み込みのMCPサーバーで、既定はオフです。 computer-useを選んで Enable を選びます。設定はプロジェクト単位で保持されるため、使いたいプロジェクトごとに1回で済みます。- 初回にClaudeが画面を使おうとすると、2つのmacOS権限を求められます。Accessibility はクリック・入力・スクロール用、Screen Recording は画面を見るためのものです。プロンプトにはSystem Settingsの該当ペインへのリンクがあります。両方を許可し、プロンプトの Try again を選びます。
設定後に頼む例として、公式は次の依頼文を示しています。
Build the app target, launch it, and click through each tab to make
sure nothing crashes. Screenshot any error states you find.
公式には、/mcpの画面で有効になったときの表示文言の明示的な記述がありません。そのため、表示の見た目は断定しません。公式の記載から確認できる流れは、有効化のあと、初回利用で権限プロンプトが出て、アプリ承認のプロンプトが出て、各ターンの初回に「Claude is using your computer · press Esc to stop.」という通知が出る、というところまでです。
権限プロンプトが何度も出るとき
Screen Recordingを許可しても、macOSがClaude Codeの再起動を求める場合があります。公式の案内では、Claude Codeを完全に終了して新しいセッションを始めます。それでもプロンプトが繰り返されるなら、System Settings > Privacy & Security > Screen Recording を開き、使っている端末アプリが一覧にあり、有効になっているかを確認してください。
CLIそのものの基本操作はClaude Code CLIの使い方にまとめています。
どのアプリを承認してよいのか?
computer-useを有効にしても、全アプリへのアクセスが与えられるわけではありません。アプリごとに、必要になった最初のタイミングで承認プロンプトが端末に出ます。
プロンプトには、操作したいアプリ、クリップボードなどの追加権限、作業中に隠される他アプリの数が表示されます。選択肢は Allow for this session か Deny で、承認は現在のセッションの間だけ有効です。複数のアプリが同時に要求されたときは、まとめて承認できます。
承認前に確認する3問は、次のとおりです(筆者の整理)。
- このタスクに、そのアプリは本当に必要か
- 警告対象のアプリか
- 承認はこのセッションだけに効くと分かっているか
影響の大きいアプリには、プロンプトに追加の警告が付きます。公式の対応は次のとおりです。
| 警告 | 対象 |
|---|---|
| Equivalent to shell access | Terminal、iTerm、VS Code、Warp、その他の端末・IDE |
| Can read or write any file | Finder |
| Can change system settings | System Settings |
これらのアプリはブロックされません。警告は、そのタスクにその水準のアクセスが必要かを判断するための表示です。デスクトップやDockをクリックさせたい場合は、Finderの承認が必要になります。
操作の強さもアプリの種類で変わります。公式CLIページには、ブラウザと取引プラットフォームは閲覧のみ、端末とIDEはクリックのみ、それ以外は全操作という一文があります。階層の詳細は公式のDesktop側の資料に記載があるとされていますが、未確認のため展開しません。
CLIには、承認しないアプリを事前に登録しておく拒否アプリ一覧がまだありません(公式の比較表では “Not yet available”)。事前の防波堤がない分、プロンプトでの判断が頼りになります。
実行中は画面で何が起き、どう止めるのか?
承認していないアプリは隠され、停止はEscか端末のCtrl+Cで行います。止めてもClaudeは止まるだけで、computer useのロックはセッションが終わるまで残ります。
作業中の画面には、次の挙動があります。
- 他の表示中のアプリは隠され、ターンの終了時に自動で復元されます。CLIでは、この自動復元は常にオンです。
- 端末ウィンドウは表示されたままで、スクリーンショットからは除外されます。
- スクリーンショットは送信前に自動で縮小されます。公式の例では、16インチMacBook Proのネイティブ解像度3456×2234が約1372×887になります。縮小サイズを変える設定はなく、文字が小さくて読めないときはアプリ側で表示を拡大します。
各ターンの初回には、macOS通知「Claude is using your computer · press Esc to stop.」が出ます。Escはどこにいても現在の操作を即座に中断し、Ctrl+Cは端末側からの中断です。どちらでもClaudeは止まり、隠したアプリが再表示され、操作が手元に戻ります。完了時にも2つ目の通知が出ます。
止めてもロックは残る
computer useを同時に使えるセッションは1つだけです。ロックは最初の画面操作で取得され、タスクが終わった時点ではなく、セッションが終了した時点で解放されます。Escで止めただけでは解放されません。
別のセッションでcomputer useを使おうとすると、ロックを持つセッションの名前を挙げたエラーになります。その場合は、持っている側のセッションを終了してください。ロックを持つセッションがクラッシュした場合は、プロセスが検出されなくなった時点で自動的に解放されます。
実デスクトップを操作させて、安全と言えるのか?
公式は、サンドボックス化されたBashとは信頼境界が異なると明記しています。computer useは実際のデスクトップ上で、承認したアプリにアクセスして動きます。
Claudeは各操作を確認し、画面上の内容に含まれるプロンプトインジェクション(画面の文面を通じた不正な指示)の可能性を警告します。ただし、公式の言うとおり境界が違うことに変わりはありません。サンドボックスの考え方はClaude Codeのサンドボックス設定で確認できます。
公式が組み込みのガードレールとして挙げる5つは、設定なしで働きます。アプリごとの承認と警告表示は承認の節、端末のスクリーンショット除外とロックファイルは実行中の節で触れたとおりです。残る1つのEscによる全体中断は、キー入力が消費されるため、プロンプトインジェクションでダイアログを閉じる用途には使えません。
公式ページは、ベストプラクティスとして別の安全ガイド(https://support.claude.com/en/articles/14128542)を案内しています。その内容は未確認のため、根拠には使いません。承認前の3問は筆者の整理であり、公式の防御とは別物です。
computer useには何を頼めるのか?
公式が挙げる例は、ネイティブビルドの検証、レイアウト不具合の再現、iOS Simulatorの操作の3つです。どれも、依頼文に必要なアプリを具体的に書くと、承認すべき対象が見えやすくなります(筆者の整理)。
| 依頼 | 公式の依頼文の型 | 依頼文に出てくるアプリ |
|---|---|---|
| ネイティブビルドの検証 | ターゲットをビルドして起動し、設定画面を開いてスライダーの動作を確認し、スクリーンショットを撮る | 検証対象のアプリ |
| レイアウト不具合の再現 | 幅の狭いウィンドウで再現し、スクリーンショットを撮り、CSSを確認する | 対象のアプリ |
| シミュレーターの操作 | iOS Simulatorを開き、アプリを起動してオンボーディングを辿り、読み込みが遅い画面を知らせる | iOS Simulator |
公式は、各例で承認が必要になるアプリや操作の強さまでは示していません。実際に出る承認プロンプトで確認してください。
ビルドの例では、公式はClaudeがxcodebuildを実行してからアプリを起動すると説明しています。本記事では依頼文の型だけを扱い、Xcodeの設定や接続は取り上げません。
iOS Simulatorの流れは、CLIでは画面操作として実行されます。公式の注記によると、Desktop版では同じ依頼でiOS Simulatorのペインが開き、画面操作にはなりません。
CLIとDesktop、どちらで使うべきか?
macOSでターミナルから離れずに使いたいならCLI、Windowsを使うか、設定画面で有効化や拒否アプリの管理をしたいならDesktopが向いています。両者は同じcomputer useのエンジンを共有しています。
公式の比較表から、選択に関わる3点を抜き出します。
| 比較軸 | Desktop | CLI |
|---|---|---|
| 対応OS | macOSとWindows | macOSのみ |
| 有効化の場所 | Settings > This computer > System のトグル | /mcpでcomputer-useをEnable |
| 拒否アプリ一覧 | Settingsで設定可能 | まだ提供なし |
Desktopの設定の詳細やCoworkとの違いは、Claude Codeデスクトップアプリの解説に任せます。
動かないときは、どこから切り分けるのか?
公式の記載を症状別に並べ直し、本記事の戻り先を添えました。
| 症状 | 戻り先 |
|---|---|
/mcpにcomputer-useが出ない、または-pで動かない |
「自分の環境で、CLIのcomputer useは使えるのか?」の条件表(OS、プラン、認証、-pの4点) |
| macOSの権限プロンプトが繰り返し出る | 「CLIでcomputer useを有効にするには」の中の、権限プロンプトの小節 |
| “Computer use is in use by another Claude session” | 「実行中は画面で何が起き」の中の、ロックの小節 |
| 画面の文字が小さくて読み取れない | 「実行中は画面で何が起き」の、スクリーンショット縮小の説明 |
まとめ:判断は読んだだけで身につくのか?
進める順は、環境の条件確認、/mcpでの有効化、2つの権限の許可、アプリごとの承認、Escでの停止の確認です。ここまでは手順として読めば把握できますが、どのアプリを承認し、どこで止めるかという判断は、試しながら身につけていく部分が大きいはずです。
未確認の点は、環境の節に挙げた一覧に加えて、/mcpでの有効表示の文言、Desktopのアプリ権限階層、公式安全ガイドの内容です。実際に使う前に、手元の環境と公式ページで確かめてください。
判断を繰り返して身につけたい生成AI活用の学習には、月額1,980円から参加できる学習コミュニティ「AI駆動ラボ」があります。自分の手でClaude Codeを使えるようになるための学びの場です。